鯖ビアーン

特集3

鯖とカレー その2


前回の特集で宣言しましたとおり、今回は自分で鯖カレーを作ってみました。

<基本構想>


 休日スーパーで魚を物色しているときに、「そうだ!今日は鯖カレーに挑戦だ!」と発作的に思いつきました。ちょうど昼食時に家族は外室で私だけの昼食となる予定でした。早速、生鯖を購入。でも、この日手に入れたのはゴマ鯖の半身。出来れば真鯖と思っていたのですが、鮮度が良かったので、これに決定しました。

 さて、鯖カレーと言っても、どういう志向のカレーにしようか、明確なイメージは持っていませんでした。とにかくご飯と一緒に食べられるようにすることは、決めていました。
 普通のカレーの上に素揚げした鯖の切り身を載せるのも一つですが、やはり、インドカレー風に作ってみたいと思いました。しかし、インドカレーと一口でかたづけてしまうことが出来ないほどインドのカレー料理が多彩であることは十分知っているつもりです。まず、汁っぽいものにするか、ボテボテとしたものにするか、汁気の少ないものにするかなどを考えました。以前、バヤンで食べた鯖カレーは比較的汁気のないものでした。一方で、一般にインド料理店などにある魚貝類のカレーは、ややボテとしたものが多いように思います。これはココナッツミルクを入れているためだと思われます。ココナッツミルクは魚介類と素晴らしくマッチングするように思います。もしも白身魚が相手なら迷うことなくココナッツミルクを使ったカレーを作ってみるでしょうが、今回は鯖なので、あえてそれは辞めることとしました。

 思い切りカレースープ風にしてしまうことも考えたのですが、何か別の臭みの強い主材料のカレーの作り方の一つをアレンジして作ってみようと思い、南インドっぽいマトンカレーのイメージを考えたのでした。マトンもそれなりに臭みの強い肉ですから、それを鯖に変えて作ってみようというものです。

<鯖の扱い>

 ところで鯖を同様形態でカレーに入れるかが、これまた問題です。
 当初は、厚切りの刺身のように切って入れることを考えていましたが、ゴマ鯖で身が柔らかいこともあるのと、少しでも鯖らしいだしが出る方がいいのではないかと思い、骨ごと一口大にザック切りにして、使うこととしました。
 また、下ごしらえとして、湯通しする、酒に浸ける、ヨーグルトに漬ける、カレーパウダーをまぶしておく、などなどが考えられますが、今回は、そのままを使ってみることとしました。

<カレー作り>

 ここからは、いよいよカレー作りです。
 鍋にギーをひき、マスタード、丁字、コリャンダー、赤唐辛子、ベイリーフらの原形を少量炒め、ニンニク、ショウガのみじん切りを加えさらに玉ねぎのみじん切りを加えて炒めました。
 その後、ガラムマサラ、トマトジュース、ヨーグルト、水を加えしばらく煮込み、さらに鯖とカレーパウダー、アジョワンの実を加え、塩を適量加えて、最後に乾燥したカレーリーフ(フェンネグリークの葉)を加えてみました。
 鯖には余り火が通り過ぎてしまわないうちに完成としました。



<評 価>

 写真を見て頂いて、おわかりのように、カレーと言うよりは、味噌煮というような色をしています。でも、かなりスパイシーなカレーです。
 味の方は、まずいというのではないのですが、満足できる味ではありませんでした。まず、魚らしい味が余りしないことです。よく言えば生臭さは全くありません。しかし、私は、もっと鯖らしい味がして欲しいのです。鯖自身に塩ですら振っておかなかったので、多少塩を多めに入れてしまったのが一つの原因です。ご飯と一緒に食べるため、塩辛くはないのですが、もう少し塩を押さえておいた方が、鯖らしい味がわかったのかもしれません。
 また、鯖自身ですが、やはり、骨が拡散してしまって、とても食べにくい状況でした。実自体は柔らかくて良いのですが、カレーの味がしみこまず、塩気も不十分でした。
 総合的には、失敗作でした。
 でも、自分の求める鯖カレーのイメージがわいてきました。

 鯖そのもののカレー煮込みトッピングとして鯖を使うのではなく、鯖の味がしっかりカレーにマッチしたものが良いと思うのです。
 極端な例としては、鯖のお澄ましを作って、そこにカレーの風味を付けるような感じです。

 だとすれば、身と骨を完全に分けて、骨は骨で、出しをとっておいて使うのがいいでしょう。身は一口大で完全に小骨を取った状態で火が通りすぎず、かつカレーの味がしみるようにあまり厚すぎないのがいいように思います。

 こんなことを次回の課題として、再チャレンジしてみます!

(MAR 26/ 2005)

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